アスベスト(石綿)健康被害の賠償の対象となる関連疾患

アスベスト(石綿)健康被害の賠償の対象となる関連疾患

アスベスト(石綿)を吸込んだことが原因となって発症する病気としては、中皮腫、肺がん、びまん性胸膜肥厚、石綿肺、良性石綿胸水などがあります。このアスベスト(石綿)による病気の特徴は、石綿を扱ってから長い年月を経たあとに出てくるということです。

空気中に飛散したアスベスト(石綿)の粉じんを吸込んだ場合、何十年もの潜伏期間を経て、高い確率で肺がんや中皮腫などの病気を発症します。たとえば、肺がんの多くは潜伏期間15~40年、中皮腫は潜伏期間20~50年といわれています。

また、アスベスト(石綿)による病気を発症するのは、直接ばく露(さらされて、吸込むこと)するアスベスト(石綿)製造工場や、アスベスト(石綿)製品を扱う建設現場などの労働者だけであるとは限りません。持ち帰った作業着などを洗う家族や、工場などからの飛散を吸込んだ近隣住人などの低濃度のばく露でも、中皮腫などのがんを発症する可能性があるのです。

中皮腫

肺を覆っている胸膜、肝臓や胃などの臓器を覆っている腹膜、心臓および大血管の起始部を覆っている心膜など、人間の内臓を覆っている膜の表面を覆っている薄い細胞層が中皮です。そして、この中皮細胞に発生する悪性腫瘍(がん)を中皮腫といいます。

中皮種は、アスベスト(石綿)のばく露から20~50年前後の潜伏期間(初めての石綿ばく露から発症までの期間)を経て発症することが多く、1970~80年代においてアスベストが使われていた過去の経過を踏まえると、日本の患者数は今後増加すると予想されます。
なお、悪性中皮腫の患者のうちの約8割が悪性胸膜中皮腫、約2割弱が悪性腹膜中皮腫、残りがその他の部位からの発症となります。

中皮種の症状としては、下記のものが挙げられます。
まず、胸膜中皮腫では、胸痛、せき、大量の胸水による呼吸困難や胸部圧迫感が起こります。また、原因不明の発熱や体重減少がみられるときもあります。しかし、これらは中皮腫に特徴的な症状とはいえないため、早期に発見しにくい病気です。

次に、腹膜中皮腫ですが、腹腔内の病気であるため早期では症状が出ません。なお、進行した場合には、腹水貯留によるお腹の張りを感じたり、腹痛、腰痛、食欲低下、排便の異常、腹部のしこりなどの症状が出たりします。

潜伏期間 20~50年

肺がん(原発性肺がん)

原発性肺がんは気管支あるいは肺胞を覆う上皮に発生する悪性の腫瘍です。発生に喫煙との関連が見られない中皮腫と異なり、喫煙をはじめとする石綿以外の多くの原因でも発生します。アスベスト(石綿)にばく露(さらされて、吸い込んだりしてしまうこと)したことが原発性肺がんと相当の因果関係があると医学的・ばく露歴等から判断できる場合に、「アスベスト(石綿)肺がん」と認定されます。

アスベスト(石綿)のばく露から肺がんを発症するまでの潜伏期間は30 ~ 40年程度ということが多く、石綿の累積ばく露量が多いほど肺がんになる危険性が高くなることが指摘されています。

また、アスベスト(石綿)と喫煙の両方のばく露を受けた場合、肺がんの危険性が高くなることが知られています。喫煙しない人の肺がんの危険性を1とすると、喫煙しない人でアスベスト(石綿)にばく露した人は約5倍、喫煙者は約10倍、喫煙者でアスベスト(石綿)にばく露した人は約50倍とする報告があります。

原発性肺がんの症状としては、咳、痰、血痰といった症状がよくみられます。
しかし、無症状で胸部エックス線や胸部CT 検査の異常として発見される例も存在します。

潜伏期間 30~40年

びまん性胸膜肥厚

びまん性胸膜肥厚とは、アスベスト(石綿)のばく露によって、肺を覆う胸膜が慢性的に炎症を起こし、その炎症によって胸膜が線維化して厚くなる病気です。

比較的高濃度のアスベスト(石綿)の累積ばく露により発症すると考えられており、潜伏期間は30~40年です。
職場でのアスベスト(石綿)のばく露の場合、アスベスト(石綿)ばく露期間は3年以上の症例がほとんどです。
なお、びまん性胸膜肥厚は必ずしもアスベスト(石綿)ばく露によるものとは限らず、結核性胸膜炎などの感染症やリウマチ性疾患等も原因となります。

びまん性胸膜肥厚の症状としては、下記のものが挙げられます。
通常、肺は柔らかく、呼吸によって膨らみますが、アスベスト(石綿)のばく露による胸膜の線維化が進行して肺の表面が肥厚(厚くなること)すると、硬くなって膨らまなくなります。これにより呼吸機能が低下し、息切れなどの症状が現われます。なお、胸膜の線維化は一部に限定して起こるのではなく、徐々に広がっていくのが特徴です。

初期では無症状の場合が多く、あっても軽度の運動時の息切れ程度であるため病気の発見が難しいですが、病気が進行するにつれて肺の動きが悪くなり、呼吸困難、反復性の胸痛、反復性の呼吸器感染等がみられるようになります。

潜伏期間 30~40年

石綿肺

石綿肺は、アスベスト(石綿)を大量に吸込むことにより、肺が線維化する肺線維症(じん肺)という病気の一つです。
肺の線維化を起こす原因としては、石綿以外にも、粉じん、薬品等多くのものがあげられますが、アスベスト(石綿)のばく露によって起きた肺線維症を特に石綿肺と呼んで区別しています。
通常、職場でアスベスト(石綿)を大量に吸込んだ労働者に起こるといわれ、アスベスト(石綿)ばく露開始から10年以上経過後に石綿肺の症状が現われます。

石綿肺の初期症状としては、軽い息切れや運動能力の低下、咳や痰が多くみられます。なお、石綿肺の症状は、アスベスト(石綿)のばく露を中止したあとも徐々に進行するため、次第に呼吸が困難になり、なかには重度の息切れや呼吸不全が起こる人も出てきます。また、肺がん、中皮腫、気胸、胸水、気管支炎などを合併することもあります。

潜伏期間 15~20年

良性石綿胸水 ※救済給付の対象外

良性石綿胸水とは、アスベスト(石綿)のばく露によって発生する非悪性の胸水のことです。「良性」とは悪性でない胸膜炎であるという意味に過ぎず、臨床経過が良好であるということではありません。
別名「石綿胸膜炎」もしくは「線維性胸膜炎」といい、通常は片側で少量の胸水を認める病変をいいます。

最初のアスベスト(石綿)ばく露から10年内に発症することもあれば、40年以上経って発症することもあります。
また、比較的高濃度の石綿曝露状況があった場合に生じるものとされています。ただし、胸水は自然に消失することもあれば、いつまでも残存する場合もあり、また、肺炎や悪性腫瘍等によっても発生する可能性があるため、「良性石綿胸水である」との確定診断が難しい疾患です。

良性石綿胸水の症状は、下記の通りです。
自覚症状がなく、胸部エックス線検査で見つかることもありますし、胸痛、発熱、咳嗽、呼吸困難等の自覚症状で気づくこともあります。約半数の人は胸水が自然に消失して治癒しますが、なかには何度も繰り返すことによりびまん性胸膜肥厚が発生し、呼吸機能障害をきたすことがあります。

潜伏期間 10年内~40年以上

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